見えない不思議なもの
「香り」と「脳」の秘密とは?
焼肉屋さんの前、庭先の金木犀、入れたてのコーヒー、誕生日に貰ったバラ・・・。 目を閉じていても、情景を思い浮かべると、同時に香りまで感じられる気がしませんか? ふと良い香りがした時、良い気分になったり、ふと立ち止まって香りを嗅いでしまう時もありますよね。 香りは良い「匂い」悪い「臭い」とある様に、多くの人が好む香りや、その反対の悪臭など人それぞれ感じ方も違い、印象も千差万別です。 実は「香り=嗅覚」は人間の五感の中で唯一、直接”大脳辺緑系”に働きをかけるものなのです。 この”大脳辺緑系”というのは人間の本能や感情を支配している部分で、その中に”海馬”と呼ばれる記憶を司る部分があり、香りの情報はダイレクトに海馬に届きます。 その為記憶は鮮烈に残りやすいのです。 この様に香りによって忘れていた記憶を思い出したり、特定の香りと特定の物事が結びつく現象のことを”プルースト効果”と呼びます。
プルースト効果や香りの活用方法を紹介
プルースト効果とは偶然ではなく、仕組みも解明されつつある生理現象の一つだと分かっていただけたのではないでしょうか。ここからは、そんなプルースト現象の活用方法について確認していきましょう。
恋愛への活用
男女問わず、恋愛をいい方向に進めたいと思うのは誰しも思う事ですよね。貴方の香りはムードを演出するだけでなく、貴方という印象を残すことが出来ます。
オススメの香りは以下になります。
- ムスク
- イランイラン
甘く華やかなムスク系統の香りは恋愛にピッタリの香り。ムスクやイランイランの香りは女性ホルモンや男性ホルモンを刺激する作用があり、色っぽい印象を与える事が出来ます。
空間を演出する活用
続いてのプルースト効果の活用方法は、空間演出をより機能的に魅せるものになります。ビジネスシーンやオフィス、リラクゼーションなど様々な用途に応じて香りを選択しましょう。
- シトラス
- ラベンダー
- ペパーミントなど
ベターで万人受けする香りは上記の香りが特におすすめになります。
集中力UPに
- シトラス
- ペパーミント
- ローズマリー
どれも爽快感を感じられる香りになり、脳の活性化やリフレッシュに効果が期待出来ます。特にシトラス、ペパーミントは集中力向上効果が高いとされています。
リラックス&ストレス解消
香りの活用の中で、一番良く使用されているのがリラックス&ストレス解消効果になります。香りにあまり興味がない人でも、ホットアイマスクや入浴剤、マッサージオイルなどリラクゼーションに良く活用されているのを見かけるのではないでしょうか。事実として香りの効果によって良いリラクゼーション効果が得られるという研究もなされています。
リラックスしたい時に
- ラベンダー
- ベルガモット
- スウィートオレンジ
ラベンダーやスウィートオレンジは、リラックス&ストレス解消効果だけでなく、不眠解消にも効果が期待出来ます。近頃疲れが取れないと感じているときにぜひ活用してみてください。
マーケティングへの活用
プルースト効果は個人的に用いるほかにも、マーケティングなどビジネスの世界でも活用できます。香りを効果的に使うことで、ビジネスにおいてのブランディング、リピート率の向上などに期待が出来ます。活用していない場合はぜひ+αとして香りを導入してみて下さい。
- シトラス系
- フローラル系
- ウッディ系
好みが別れにくい香り、またターゲットの性別や年齢によって香りを慎重に吟味することが重要です。
ブランディングへの活用
従来のブランディングでは、主に「視覚」と「聴覚」をよく活用されていました。広告やメディア媒体などによってターゲットへアピールしてきた方法ですね。そこから更に「香り」のプルースト効果を導入する事により、よりターゲットへブランドを印象付けることが出来ます。
特定の香り=ブランドの香りと認識してもらうことで、ブランドと関係ない場所でも香りだけでブランドを思い出してもらうこともできます。